直木賞を受賞後に新田次郎が「本当の小説家になれた作品」と自負した彼の出世作『日輪の遺産』の映画化。
敗戦を覚悟した旧陸軍が、戦後日本の復興資金として「山下財宝」(マッカーサーから奪取)の隠匿を図る。
それは金塊で900億円(現在の価値で200兆円)という巨額であった。この任務を託されたのが真柴少佐。
真柴少佐は小泉中尉や望月曹長と20名の少女と教師らと、武蔵小玉の南多摩陸軍火工廠へ移送し隠匿する。
真柴少佐は、作業完了後に機密保持の為に、20名の少女と教師を青酸カリで殺害せよとの命令を受けた。
真柴少佐は命令撤回を具申し取り付けたが、命令を立ち聞きした少女のスーちゃんが殺害を実行していた。
少女の一人の久枝を何とか救ったのだった。この金原久枝は望月曹長と結婚し、隠匿した金塊を守る事になる。
物語はこの望月曹長(金原庄造)が死ぬところから始まる。金原久枝は孫娘らに事の次第を打ち明けるのである。
この小説は新田次郎の創作によるフィクションである。しかし、旧帝国陸海軍が軍資金を隠匿した事実はある。
この巨額の隠匿軍資金をマッカーサーは『隠匿退蔵物資事件捜査部』を組織して捜索し没収しようとしたのだ。
この『隠匿退蔵物資事件捜査部』は日本人が職員で、任務終了後に突然『東京地検特捜部』と名称を変えている。
即ち、『東京地検特捜部』とはマッカーサーが作った日本の政財界を取り締まる為の米国のスパイ組織なのである。
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