
ソニーに最高級コンデジRX1RIIというカメラが存在する。2015年発売でそれから10年近くも経っている。
当時のソニーの最高画質のカメラはα7R IIなのだが、それとほぼ同じスペックのレンズ付きカメラである。
RX1RIIはツァイス「ゾナーT*」35mm F2 単焦点レンズとのレンズカメラ一体型カメラとして作られている。
ところが、これとほぼ同性能になるα7R II + FE 35mm F1.4 GMの写りを凌駕する程の高画質を誇っていた。
フルサイズカメラでありながら中判カメラに肉薄する圧倒的な高画質を魅せ付ける。何故、それが可能なのか。
“設計思想”が違っていた。最高画質のレンズに合わせてカメラを設計し最高画質を極限まで追及している。
現在、主流になっているレンズ交換式カメラの場合は最初にカメラを設計し、これに合わせてレンズを作る。
1台のカメラがあれば“超広角”から“超望遠”までの撮影が可能だが、そこには自ずと無理が生じて来る。
カメラもレンズも製造過程での精度の“バラツキ”が生じる。これらを組み合わせれば“狂い”が生じて来る。
従って、レンズ交換式カメラではレンズの実装時に所定の光学性能が発揮されないという矛盾が生じている。
よく、購入したレンズの焦点が合わないという問題が起こる。この場合、メーカーで精密調整をしてもらう。
焦点だけではない、センサーの位置や傾きもズレている可能性もある。レンズ交換式カメラの構造的欠陥だ。
最近のキヤノンのミラーレスカメラでは、レンズ毎の焦点のズレをレンズを交換する度に自動補正がされる。
レンズ毎の精密調整が要らなくなる画期的システムだ。だが、これも焦点のズレを補正するだけのものである。
RX1RIIの場合は、1台1台について工場出荷時に光学性能の精密な計測と各種の補正が行われているという。
即ち、レンズの性能を100%発揮させるカメラの設計をするだけでなく、完璧な精密調整が行われているのだ。
RX1RIIが中判カメラに肉薄する高画質を誇り、α7R II + FE 35mm F1.4 GMをも凌駕する理由はそこにある。
レンズ交換式という“汎用性”を犠牲にして、1台1台を“芸術品”の様に仕上げたカメラだと表現が出来る。
このRX1RIIの最新型が今年発売になるという噂がある。そのRX1RIIIのスペックに関して興味津々である。
α7R IV + FE 35mm F1.4 GMを凌駕する高画質は間違いないだろう。この逸品こそ“理想のカメラ”だろう。
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