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16議員が衆院民主会派を離脱

<我々は先遣隊>

 遂に民主党内部から〝菅降ろし〟の火蓋が切られた。
 民主党の16名の衆院議員が衆院民主会派からの離脱を宣言し、菅総理に事実上の〝退陣要求〟を突き付けたのである。

 2011年度予算関連法案を衆院での〝三分の二再可決〟を目指していた菅政権にとっては大きな痛手だ。
 このままこの予算関連法案が通らなければ、菅内閣は〝総辞職〟か〝解散総選挙〟をするしかなくなる。
 菅総理はずるずると国民生活を人質に取って自民や公明の妥協を引き出そうとするかも知れないが、内閣総理大臣の予算成立への責任はそんなものではない筈だ。

 民主会派からの離脱を宣言したのは、先の衆院選の大勝利で比例区当選した16名の衆院議員たちだ。
 言わば〝小沢チルドレン〟で、このまま民主劣勢のまま解散総選挙になれば再選がかなり難しいと言われる人々である。
 自身らの当選理由であった〝マニフェスト〟への菅政権の無節操な見直しに反対している。



 <小沢グループの反転大攻勢>

 小沢元民主党代表が〝政界再編〟を含んでの大攻勢を、菅内閣に仕掛けたのだと思われる。
 小沢元代表は囲碁の名手として知られている。しかし、それ以上に〝選挙の達人〟とも言われているのである。

 このまま支持率低迷の菅内閣で総選挙を戦えば、民主党の政権維持が難しいのは誰の目にも明らかである。
 そこで、自らの〝強制起訴での処分〟問題も絡めて〝起死回生〟の〝乾坤一擲〟の大勝負に出たのだろう。

 勝算はある。
 否、かなりあるのではないだろうか。

 会派離脱宣言をした16名の議員は〝先遣隊〟だと名乗っている。
 〝先遣隊〟ということはその後に〝本隊〟や〝増援部隊〟や〝支援部隊〟或いは〝第五部隊〟までが用意されているのではないだろうか。



 <〝霞が関支配と地域主権〟〝独法天下りと消費税増税の是非〟が争点>

 菅政権は民主党がマニフェストで掲げた〝公務員改革〟に殆ど手を付けていない。
 この〝公務員改革〟によって5兆から6兆円もの財政改革が見込まれているのにである。

 そして最重要テーマとして取り組んでいるのが、マニフェストには無かった〝消費税増税〟なのである。

 完全に〝霞が関官僚機構〟に取り込まれた感じがしている。
 官僚たちが嫌がる〝公務員改革〟を棚上げにし、官僚たちが目指す〝消費税増税〟を推進しようとしているのである。

 〝独法天下り〟や〝財源による地方支配〟という官僚たちの〝既得権益〟を守っているようにしか見えないのである。
 これでは〝地域主権の確立〟といった問題も全く前へは進まないのではないだろうか。

 これに対し小沢グループが目指すものはというと、①脱官僚、②天下り廃止、③地域主権、④減税などであり、先の民主党のマニフェストに則している。
こちらの方が、先の総選挙で国民が選んだ民主党なのではないだろうか。



<脱官僚と民主化の流れを止めてはいけない>

 菅政権による路線の変更によって、霞が関による支配力が逆に強まった感じがしてならない。
 菅政権が目指すものは脱官僚では無くて、官僚機構が支配する大社会主義国家なのではないのか。

 そうだとすれば、先の総選挙で掲げた〝脱官僚〟は嘘だったことになる。
 これではまるで菅総理は幕末の〝清河八郎〟ではないか。まるで逆の方向に民主党を引っ張ってしまっている。(但し、尊王攘夷で清河八郎は逆の立場ではあるが)

 更に言えば、このまま民主党菅政権が霞が関の言うがままにやって選挙で負ければ、霞が関では笑いが止まらないだろう。
 何故ならそれは完全な〝脱官僚の敗北〟なのであり、復活した自民党政権が再び元の霞が関支配による強力な長期政権を作るだろうからである。

 霞が関による長期政権の復権は〝独法天下り〟の存続に繋がり、〝地域主権〟の確立にも大きな障害になるものである。



 <霞が関支配は終わりだ、従う必要は無い>

 60年にも及ぶ霞が関支配の構造は日本社会のあらゆるところに及んでいて、例えば〝テレビコマーシャルの制作指導指針〟のようなものにまであるようだ。
 これはテレビで世論をコントロールするのに大いに有用なのかも知れない。

 ある人物が主人公で、その人物をイメージさせてテレビコマーシャルを作り、知らず知らずのうちに人心をコントロールしているのである。
 かなり昔、〝巨人、大鵬、卵焼き〟という言葉なあったようだが、野球は巨人、相撲は大鵬、子供は卵焼きというように世論を一極支配の構造にコントロールする為のキャッチフレーズなのだ。
 その相撲は今、根深い〝八百長問題〟が発覚し表面化して、相撲協会の存続問題へと発展している。

 誰ももう、こんな霞が関支配の構造に従う必要はない。
 マスコミもテレビ局ももうそんなことは止めて自由にすれば良い。
 「ああしてくれ」とか「こう言ってくれ」とか指導されても、「それに私は反対だ」とはっきり言って欲しい。
 こうした霞が関による国や社会への支配はもう終わりにするべきである。



 <今こそ〝脱霞が関支配〟の勢力の結集を>

 中東では長期独裁政権への民衆の怒りが爆発している。
 チュニジア、エジプト、リビア、バーレーンなど民主化の嵐はどんどん飛び火している。
 同じ長期独裁政権を布いている中国や北朝鮮の政権も危機感を強めているという。

 日本は平和的だが、ここでも確実に長期独裁政権を止め民主化に動き始めていたのだ。
 長年の腐敗構造である〝独法天下り〟や〝中央の地方支配〟なども見直されようとしていた矢先である。

 この流れを止めるわけには行かない。
 その為には、〝脱霞が関支配〟の勢力の結集が必要なのだと思う。

 官僚支配からの地域主権の確立を目指している大阪の〝橋元知事〟や名古屋の〝河村市長〟などの目的が近い人々の結集が必要だと考えるのである。
 また、〝みんなの党〟なども考え方が近い筈である。彼らもその為に自民党を出たのではないのだろうか。

 霞が関の支配は、彼らの〝独法天下りなどの既得権益〟や〝財源による地方支配の権力〟を維持させるだけのものであって、国民のためには良くないことである。

 このままだと菅政権は1カ月も持たないのだろう。
 その後に内閣総辞職や解散総選挙になり、その時にこうした勢力の結集によって〝脱霞が関支配〟を訴えるべきではないのだろうか。

 現在の民主党の国会議員にも〝脱霞が関支配〟への賛同者は多い筈である。
 どちらが先の総選挙で国民に選ばれた本当の〝民主党〟なのかを考えるべきなのではないだろうか。

 今のままだったら民主党は分裂してもよいのではないか、但し、次に出来る〝新民主党(連合)〟は本当の民主党であって欲しいと願って已まないのである。





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