米国の不良資産買い取り計画

米国の不良資産買い取り計画、資本注入も視野に=茂木金融担当相

9月21日15時27分配信 ロイター
 
 [東京 21日 ロイター] 茂木金融担当相は21日、都内で記者団に対し、米国政府が金融機関の不良資産の買い取り計画を提示したことについて、買い取りのスキームによっては、公的資金による金融機関への資本注入も視野に入れる必要が出てくる、との認識を示した。
 米政府は20日、金融機関が抱える証券化商品など不良資産について、最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金で買い取る計画を議会に提案した。上下両院は、26日の議会休会前に調整する見通しとなっている。
 茂木金融担当相は、この買い取り計画について「証券化商品をいくらで買い取るのか」が問題だと指摘。「時価で買い取れば、金融機関に相当な損が出る。そうすると、そこへの資本増強をどうするかという問題が出てくる」と述べた。その上で「まさにどういうスキームで買い取りをするかで決まってくるが」としたものの、公的資金による資本注入については「それも視野に入れる必要は出てくる」との認識を示した。
 さらに、1990年代の日本政府が銀行の不良債権問題の解決のため、1)預金者保護、2)不良債権買い取り、3)金融機関への資本増強――の3つの措置を講じたことを挙げた上で、米政府の対応について「流れとして日本とよく似ている。今後、3番目をどのように考えているのかよくフォローしていく」と語り、資本増強の判断を注視していく構えを示した。その上で、「今後は、日本の90年代の経験やノウハウも生かせるので、米国政府から要請があれば、喜んでいろいろな協力をしたい」と述べた。
 また、証券化商品の約75兆円の買い取り資金の原資については「まだ聞いていないが、一般的に考えられるのは、米国債やそれに準じる手段を使わざるを得ないのではないか」との見方を示した。
 米政府が、MMF(マネー・マーケット・ファンド)の元本保証のため、為替安定化基金から最大500億ドル(約5.4兆円)を活用すると発表したことについては「MMFを預金口座のように使っている米国民の不安を解消する措置だ」と評価した。
 

 米政府は、米金融機関から最大7000億ドル(約75兆円)の不良資産を買い取ることを柱にした金融危機対策の政府案を正式に発表した。

 最初、消極的だったブッシュ大統領が、投資銀行出身のポールソン財務長官に「あなたはフーヴァーになるつもりか」と脅かされて決断したとされる史上最大規模の市場への公的資金の投入策である。
 ここでフーヴァーとは、1929年の「世界恐慌」が起こったときの「自由放任主義」を採っていた米国大統領である。

 7000億ドルもの公的資金で、金融機関が抱える証券化商品など不良資産を買い上げるというのだが、この7000億ドルという途方もない財源は何処から来るのか。
 おそらく、それの主要部分は米国債なのであろう。
 だが、ブルームバーグ・ニューヨーク市長も言っているように、一体、誰が国債を買うのだろうか。

 米国経済が破綻すれば、米国債は紙くずになる。
 リーマン・ブラザーズの社員が持っていた同社の株券は紙くずになった。それと同じである。
 米国債は大量に世界に売られているが、その最大の保有国は日本である。2008年5月現在で、日本が5787億ドルで1位、中国が5065億ドルで2位になっている。
 
 それで、米国経済が破綻すると困るから、日本と中国が米国債を買い足すことになるのであろう。それも大量にである。
 日本の、米国の不良資産買い取り計画への、資本注入とはこのことなのであろう。

 つまりは、米国の7000億ドルの公的資金投入というのは、日本からの米国債大量購入という資本注入を当て込んでの政策ということになるのである。
 日本は、自らの大量に保有している米国債を守る為に、また更に大量の米国債を買わされるというわけである。

 米国の半分の銀行が潰れるとまで言われている、今回のサブプライムローン問題の処理に、結局、日本の財源が投入されるという構図なのだ。
 大丈夫なのだろうか。凄く、心配なお話なのである。

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 またこの不良資産の買い取りにおいては、時価ではなく各金融機関が損をしない金額でなされる可能性が高い。
 時価では、各金融機関の損失を抑えるという目的が成されないためである。
 つまり、簿価に近い金額で買い取られるのであろうと思われるのである。

 資産の評価で、簿価ではなく時価で行うというのが米国流の経済学である。わが国にも定着しつつあった。
 しかし、経済そのものを救う為に、簿価(に近い額)で元本を保証するという、本来有り得ないことを行うのである。

 MMFについても同じである。
 MMFとは、元々、元本の保証が無い金融商品なのだが、今回はこれも保証するのだという。
 元本の保証というのは、預金などの銀行商品の話であって、投資銀行ではやっていないものである。 
 
 このことは、まさにレバレッジ金融モデルの破綻を意味しているのではないだろうか。
 実体が無くなってしまった米国型の金融システムの崩壊が起こっているのである。