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ピアニストと小脳

 以前ブログで、ピアニストの手について考察してみたことがあった。
 ピアニストには「ショパンの手」のような形があって、指が異様に変形し特殊な筋肉が発達しているらしいということだった。
 そして、僕の手はピアニストには程遠い形であることも分かったのだった。

 →過去ブログ「鍛え抜かれたピアノ弾きの手」: http://blogs.yahoo.co.jp/ming_sunfield/15453561.html
 →過去ブログ「ピアノの手?」 : http://blogs.yahoo.co.jp/ming_sunfield/15209301.html

 最近知ったのだが、ピアニストは普通の人よりも「小脳」が5%程大きいというのである。
 小脳は、一般に、運動機能をつかさどる脳であると言われている。
 ピアニストの正確で細かな指の動きをコントロールする為なのであろうか。
 様々な指の動きのパターンを引き出しにしまうように、記憶しているのだと思う。

 また、小脳はその記憶を、成功パターンでの消去法で行うとも言われているそうである。
 つまり、ピアノなら、上手く弾けた例だけを記憶していることになる。
 そして、それらを繋ぎ合わせてミスの無い演奏を行うわけだ。

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 この一連の行動は、スポーツ選手、例えばサッカー選手にも言えるのだと思う。
 名プレイヤーは、ゴールを決めたシュートやフリーキックの成功パターンを、沢山、小脳に記憶しているということである。

 この意味からは、ピアニストはスポーツ選手であり、「指先のスポーツ選手」なわけだ。
 指や手の特殊な筋肉が発達し、小脳が他人より大きく発達している。まさに指先のスポーツ選手である。

 クラッシックのピアニストとサッカー選手との違う点は、前者の場合、一連の楽曲という決まったパターンだけをを演奏するということだろう。
 サッカー選手の場合、その場その場での臨機応変なプレーが要求される。その意味ではサッカー選手は、ジャズピアニストのようなのだと思う。
 また、クラッシックのピアニストをスポーツ選手に譬えれば、フィギアスケートなどの選手に似ているのであろう。

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 クラッシックのピアニストの驚異的な能力のひとつに、長大な曲の「暗譜」があると思う。
 1曲で1時間以上も掛かるような楽曲を、何曲も暗譜しているのである。
 これもおそらくは小脳で行っていて、ひとりでに指が動くのである。
 この暗譜は正確で、曲の何処からでも演奏出来、おそらくは、五線譜に書いて楽譜を再現出来る程のものである。
 1曲で何万個もある音符の連なりを、それも何曲も暗譜しているのである。

 驚異というほかは無い。
 お坊さんのお経の暗記や世界一長い人名の暗記や円周率の暗記よりも凄い量である。
 ピアニストの小脳は、何万個もある音符を音符としてではなく、指先の動きとして記憶しているのだと思う。

 この暗譜、実体験で考えてみれば、そう難しいことではない。
 僕もピアノを弾いていたことがあって、僕の場合楽譜を読むのが苦手なため、ピアノは全て暗譜で弾いていたのである。

 →過去ブログ「グランド・ピアノ演奏」 : http://blogs.yahoo.co.jp/ming_sunfield/12377391.html

 ブログに書いたように、一番長い曲で「ベートーヴェンのピアノソナタ第8番悲愴の第1楽章」であるから、かなりな長さである。
 やってみると、以外にそう難しくは無いのである。多分、ピアニストの方なら、同じように難しくは無いと答えるであろう。
 自分の体験から考えると、やはり、理論や音符では無く体で、指で憶えているのだと思う。

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 最近、小脳の働きについて見直しがなされ始めているという話を聞いた。
 昨年の9月に、理化学研究所と富士通が脳機能活動に関する共同研究プロジェクトを開始したというのである。
 小脳仮説という理論に基づき、人間の直感思考における小脳の役割や機能を研究するのだという。
 小脳仮説の理論では、人間の直感思考で、小脳が大脳よりも主要な役割を担っているとされる。具体的には、集中して勉強し続けることで大脳に思考のモデルが形成され、それが小脳にコピーされることで直感思考を行っているのだとされるのである。

 同研究プロジェクトでは、日本将棋連盟の棋士の協力を得て研究が行われるとのことである。
 棋士が研究用のモデルになったのは、棋士は常に思考を重ね、経験で得た情報を基に、直感的に瞬時に次の一手を繰り出すことが出来るという理由のようである。
 棋士たちはfMRI(磁気共鳴画像による脳の機能の画像化装置)を装着して将棋を行うのだという。

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 ピアニストという人々は、幼少のピアノを習い始めた頃に、他の子供たちが弾けない難しい曲を弾いてみせて才能を開花させた人々であるのだと思う。
 多分、小脳が発達していたか、優れていたのではないだろうか。
 そして彼等はピアノを集中的に習って練習することで、他の子たちと差別化され、更に能力に磨きが掛かり大きく成長して行くのだと思われる。

 しかし、神童と言われたピアノの上手い子でも、名ピアニストになれるわけでは無い。
 大人が弾く難しい曲を弾ける子供は神童ではあっても、大人になって大人の曲を弾けても大したことではならなくなる。
 大人になる間に、演奏に変化がなければならないと言われる。つまり、神童モーツァルトが作曲家になったような変化である。

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 ピアノに限ったことでは無い、人生にはこの種のことが多いと思われるのである。
 いつも疑問に思っていることがある。
 弁護士試験(司法試験)である。

 この試験を僕は受験したことは無いのだが、試験問題に非常に疑問を持っているのである。
 試験は法律の暗記で、ある試験問題が出ると反射的に暗記した回答を書く。考えていたら、試験時間内での解答は出来ないのだという。
 ところがである、実際の司法の場を考えると、凄く時間的な余裕があり、回答を考える(弁論内容などの案を練る)時間は数ヶ月もあったりする。
 司法試験と実際の司法の場とのギャップがあまりにも違うように感じるのである。

 実際に弁護士に要求される能力は、裁判で勝利するための戦略を練る能力や、そのための情報収集能力や、法律の解釈・運用能力、それから、演説能力ではないかと思うのである。
 細かな法律についてなら、パソコンに入っているし、その記憶量ならパソコンの方が遥かに多いし正確である。
 必要な法律をパソコンで調べて、その後、解釈方法を考え、勝利の戦略を練る、この能力が弁護士に必要な能力ではないだろうか。
 決して、法律を丸暗記する能力では無い筈だ。

 他に、例えば、優秀な外科医というのにも同じようなことが言えると思うのである。
 優秀な外科医というのは、天才的な指先の器用さを持った外科医であると思う。
 他の医者の出来ない難しい手術を、正確に容易くこなしてしまうのである。
 理論的には分かっていても、指先の不器用な人は決して優秀な外科医(臨床医)にはなれない。
 これだって、医師の国家試験で指先の器用さをみる試験など無いのである。

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 ちょっと余談になってしまったが、教育問題での僕の持論として、このような、教育の場や資格試験などの実社会や実職場への適合への総見直しと改革が、国家規模で必要であると考えているのである。

 おっとまた、「ピアニストと小脳」というテーマから大きく脱線してしまったようである。

 要するに、ピアニストというのは、ピアノを弾くために指や手や腕の筋肉が発達し、小脳がピアノ弾きの動きを小脳が大きくなる程に記憶している、指先のスポーツマンだということになった。
 今回のブログでの考察で、ピアニストについての理解度が、前回からはかなり進歩したようである。

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