H-3


中国の軍事ハッカーが2020年に日本の防衛機密ネットワークに侵入していたと、ワシントン・ポストが伝えた。

このサイバー攻撃はアメリカの国家安全保障局(NSA)によって検知され、日本の政府関係者に伝えられたという

 

「日本の近代史において最も有害なハッキングのひとつ」と指摘され、日本政府はセキュリティーを強化した。

しかし、2021年にも中国の軍事ハッカーが日本の防衛機密ネットワークへ侵入している事をNSAが検知した。

 

日本の防衛機密ネットワークの脆弱さが露呈し、米国は日本の防衛省との情報共有化に懸念を表明している。

しかしながら、この事件の重要な問題は別にある。中国のハッカーの侵入を検知したのが米国だという事だ。

 

米国のハッカーが日本の防衛情報ネットワークに侵入し監視していた点である。筆者はこの点を問題視する。

言い方を変えれば、米国NSAに対し日本の防衛機密情報が常時監視され筒抜けになっているという事である。

 

日本は“スパイ天国”と言われている。防衛情報ネットワークに限らず、他国のスパイが多数潜入している。

防衛省、三菱重工、JAXA等の防衛・航空・宇宙産業関連官庁や企業へは外国のスパイが潜入し活動している。

 

中国やロシア、北朝鮮のスパイが最重要注意である事は当然だが、“米国のスパイ”にも注意が必要である。

筆者は『ロッキード事件』『日航ジャンボ機墜落』『東日本大震災』などへの米国の関与の指摘をして来た。

 

米国は自国の自動車やコンピューター(Windows)などの国内産業を守る為に、時には軍事力を行使して来た。

日本の産業界を強力なライバルと捉えその成長を妨げて来た。また中国への接近を阻止する事もやって来た。

 

近年は“航空・宇宙産業”への妨害活動があったと疑っている。既に“日の丸ジェット”は開発を断念した。

JAXAにしても「H-3」の初号機打ち上げ失敗、「イプシロンS」の燃焼実験失敗が相次ぎ危機に瀕している。

 

米国は国策産業である「NASA」や「スペースX」を守り育成する為にあらゆる手段を行使するだろうと思う。

最も“親密な国”が実は危険である。今、日本の“宇宙産業”を頓挫させる事が米国の利益になるのである。

 

防衛機密ネットワークのセキュリティー強化は重要である。が、“スパイ天国”の解消も重要な課題である。

“マイナカード”の件はお粗末そのものである。日本は“国家セキュリティー強化”に取り組む必要がある。