
CG : Historical New Theory The Crusades
前回、日本の『戦国時代』が地球規模の継続的“寒冷化”に伴う“食料不足”が原因で発生したと論じた。
限られた字数での論理展開だが、淀みが無くシンプルで美しい論理ではなかったか。正論は美しいものだ。
西暦1000年頃から1500年程に亘る“寒冷化は”地球規模のものであり、世界ではどうだったのか。
その頃、ヨーロッパでは『十字軍遠征』が1095年から1272年に掛けて9回(10回)行われている。
『十字軍遠征』はイスラム教国から聖地エルサレムを奪還するという、キリスト教徒による軍事行動である。
しかし、筆者はこの『十字軍遠征』に地球規模の継続的“寒冷化”の気候変動から新しい解釈を試みている。
1000年頃をピークとして地球は“温暖化”から“寒冷化”へ転換し『マウンダー極小期』まで続いた。
この急激な気候変動は食料問題を引き起こしただろう。日本では『戦国時代』という米の争奪戦が生じた。
海に閉ざされた日本と違いヨーロッパは陸続きであるので、ヨーロッパから外部へ向かったのではないか。
その1つが『十字軍遠征』ではなかったのかと推理する。『十字軍遠征』は食料不足とどう関係するのか。
一つは“口減らし”である。数万人の人間が彼の地へ移動している間、村々の食料事情が改善するだろう。
『十字軍遠征』に参加した数万の兵士たちは遠征路の途中や彼の地で自分たちで食料を調達するのである。
2つ目は“少子化”政策である。『十字軍遠征』に参加した数万人の“男性”は遠征期間に子を作らない。
この少子化は食料不足に有効な政策である。『十字軍遠征』が行われている期間は村々の食い扶持が増える。
筆者は『十字軍遠征』が地球規模の継続的“寒冷化”による食料不足への政策だった可能性を考えている。
『十字軍遠征』は寒冷化が続いている13世紀後半に終了しているが、これには以下の理由が考えられる。
14世紀には『モンゴル帝国』のヨーロッパ侵攻があり『ペスト』が大流行している。これらの影響だろう。
『十字軍』は防衛軍に変わったし、何より『ペスト』によって人口が大きく減り食料問題が解決したのだ。
『十字軍遠征』の原因として食料問題を考えたが、人口が減ればこの問題は無くなるので必要が無くなる。
1000年頃からの寒冷化によるヨーロッパでの食料不足問題は『ペスト』の大流行で解決したのだろう。
筆者は『モンゴル帝国』の発生や『大航海時代』についても“気候変動”の観点から考察を行っている。
地球規模での“気候変動”は人類の生活に大きな影響を与える。過去の歴史もこの観点から見ると面白い。
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