
これまで愛聴して来たB&Wのスピーカー + アキュフェーズのアンプから、オーディオ装置を一新した。
高級オーディオからの買い替えになるが、20年も前の機種であり最新のHi-Resに対応仕切れなかった。
筆者はパソコン・オーディオとして使っていて、今回選んだのはアクティブ・スピーカーというものだ。
パソコンには2~300アルバムのHi-ResやCDが入っており、これを鳴らすオーディオが欲しかった。
アクティブ・スピーカーとはパソコンのUSB出力に直接繋げて鳴らす、アンプ内蔵のスピーカーである。
DADやBluetooth、各高低音スピーカー専用のパワーアンプが内蔵されており音質やコスト面で優れる。
選定したのはAirpulseのA100という製品で価格帯的にはエントリー・クラスである。だが音は本格的だ。
フィル・ジョーンズが開発を手掛けており、ミドル・クラスを超える音質レベルなのではないだろうか。
実際、以前の20年前のハイエンド・オーディオと比較して遜色のない鳴り方をしていると感じている。
このAirpulse/A100の鳴らし込み方法について以下に整理したので、興味のある方の参考になればと思う。
①エージング
A100の魅力はリボンツィーターの澄んで透明な高音域だ。これにマッチしたアルミ合金ウーファーが付く。
どちらも金属系の振動版なので十分なエージングが必要になる。最初に聴いた音にはガッカリしたのだ。
しかし、1時間程鳴らし込むと硬かった音が聴き易く変わる。更に1週間程経った現在は素晴らしい音だ。
十分なエージングに2~3カ月も掛かるのではないだろうか。その意味では今後の音の向上に期待したい。
②スピーカー台と敷き板
床置きにする場合にはしっかりしたスピーカー台に乗せる必要がある。TAOKのWST-C60HBを選定した。
鉄製で中に鉄粉が封入してあって重量感があり、御影石板の上にスパイクでセット。寸法もピッタリだ。
③高音質なケーブル類
オーディオは接続するケーブルで音質が大きく変わる。デジタルでは特にUSBケーブルの影響が大きい。
パソコンから出力するUSBケーブルに定評のあるオーディオクエストUSB2/CAR/0.75Mを選定している。
ライン・ケーブルにもJIBドイツ製造の芯線が純度99.99% 6N(OCC)単結晶銅線体の物を使っている。
A100は必要なケーブル類が付属しているが、これらは最初から使っていない。付属品はおまけと割り切る。
④スピーカー間ケーブルは純正を
A100は左右のスピーカー間を5ピン・バランスケーブルで繋ぐ。これは付属の純正品を使うべきである。
高音質と思って別に用意したが純正の方が圧倒的に良かった。A100の設計に関わって来るのかも知れない。
純正品ではボーカルが息使いなど実在感を持って真ん中に塊で定位し、奥行など立体感が感じられる。
他のケーブルでは左側の出力が落ち音像は右寄りにずれ、音は線が細く音場の立体感が感じられない。
⑤DAコンバーター(DAC)
DACはA100内蔵の物ではなく前から使っているDENON DA-310USBを使用した。明らかに音質が上だ。
DENON DA-310USBはPCMで384kHz 32bitまで、DSDで11.2MHzまでをネイティブで再生が可能だ。
そして今回効果が確認されたのがDENON DA-310USBの下に挿入したインシュレーターの絶大な効果である。
パソコンの上に乗せているのだがAudio-Technica AT6099を入れると歪感が無くなる。雑音を拾っていた様だ。
⑤トーン・バランス
A100の背面に低音用と高音用のトーン・コントロールが付いている。これを調整してトーン・バランスと取る。
僕の部屋の場合には低音側が4時の位置(最大が5時)と高音側が1時の位置で最もバランスが良かった。
以上の様にA100をセッティングしたのだが、素晴らしい音で音楽を奏でている。このコストで信じられない。
最新のハイエンド機の実力は分からないが、この結果から高級オーディオの存在が問われるかも知れない。
B&Wとアキュフェーズが奏でる音は、譬えるなら芳醇な香りがする琥珀色のスコッチウイスキーなのだろう。
A100の音は、例えば日本酒の食中酒の様に無色透明な感じでモニター調に感じられる。重低音は不足気味だ。
『まだ結婚できない男』というドラマがあった。主人公が聴いているスピーカーはfocal のAria 936である。
クラッシックのオーケストラ曲を聴く彼はこれをラックスマンの真空管アンプで鳴らしているのである。
真空管アンプというと前時代的な旧式というイメージもあるが、実は最近高級オーディオで流行っている。
デジタルのD級アンプが普及する中(A100はD級アンプ内蔵)、B級アンプの最終段に真空管を使っている。
この方が丸くて聴き易い柔らかな音がするという。スピーカーというアナログ装置に相性が良いのかも。
最近は日本でも真空管アンプが流行っていて、オルトフォンなどレコード用カートリッジも売れている。
『まだ結婚できない男』が聴いているオーディオ装置はハイエンド・クラスに属する高額な高級機である。
Hi-Res音源全盛のオーディオの世界はデジタルとアナログの二極化が起こっているらしい。不思議な世界だ。
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